【Shall we?】MV公開によせて+Dear my dear全曲レビュー(速報)

★全曲が発表されたので、後半に感想を加筆しました。

 

 

MV公開によせて

親愛なるジョンデペンの皆様、そしてEXOペンの皆様、ようやくこの日がやって参りましたね。10月1日、ジョンデの第2集の発売日です!

 

f:id:Ribboninthesky:20191001094344j:image

 

昨夜(10月1日0時)、ついにMVが公開されましたね。私も遠足の前の子どものような、いや、それ以上の期待と興奮をもって、この日を迎えたわけですが。

 


CHEN 첸 '우리 어떻게 할까요 (Shall we?)' MV

 

いやあ…本当に…

 

キムジョンデ、最高だな(涙)

 

 

なんなんでしょう、これは一体…心の奥底に眠っていた「あの頃の気持ち」が強烈に揺さぶられる、魔法のように美しい音楽じゃないですか…

 

 

そう。もちろん、ジョンデの歌唱力は素晴らしいんです。全く無理ない伸びやかな発声に加えて、1曲の中でもいくつもの声を使い分けていて、それが見事に歌の世界を描き出していく…前回のアルバムの時も思いましたが、あのソロデビューやたくさんのカバーを経て、ジョンデの歌唱力は更に安定して、細やかになったのだと思います。

 

でも何より、まずは理屈抜きに、歌の世界に引きずり込まれてしまう、それがジョンデの歌の凄さだと思います。この曲を聴いて、無性にセンチメンタルな気持ちになったのは、きっと私だけではないはず。

 

ちなみに私、基本的に全くセンチメンタルな人間ではございません。適性検査や性格検査を受けると、昔から見事に一貫して「感情に殆ど左右されず、合理的な判断を下す」という診断を受けてきた人間です。芸術に反応する心はある方だとは思いますが、どちらかというと「この表現の何がすごいのか」という分析に走る方です。そんな自他共に認めるドライかつ分析大好きオタクな私が、ジョンデの歌を聴くと、なぜか無性にウェットな気分になり、思考を放棄してセンチメンタルモードに突入してしまうというのは、自分でも信じられない現象です…

 

80〜90年代の青春映画を思わせるMVも、この曲の世界観とよくマッチしていますよね。高いところから夜の街、朝の街を見下ろすジョンデを見ていると、過去の思い出の回想とも思えるし、あるいはやっぱり「語り部」として、物語の世界を歌っているのかなとも思えてきます。

 

f:id:Ribboninthesky:20191001142814j:image

 

 

蘇る、記憶

音楽的には、この曲は「レトロポップ」と謳われていますが、最初この曲のティーザーを聴いた時、私が一番最初に思い出したのは山下達郎の音楽でした。60年代〜70年代のソウルミュージックを下敷きにしつつ、彼が新たに再構築した、80年代〜90年代のシティポップの世界。

 


山下 達郎 さよなら夏の日

 

この曲は91年発表。音作りや根底にある空気感、相通じるものがあると甘います。

 

洋楽もそうですが、日本のこの頃まで音楽には、明確に「物語」があるものが多いですよね。時代とともに段々ビートやトラックが重視されるようになって、物語性のある曲というのは少しずつ減っていく(あるいは、メインストリームではなくなっていく)わけですが、とはいえ人間の本質は数十年では変わらないわけで、今改めてこういう曲を聴くと、その世界観にハッとさせられます。もちろん、私自身が年齢を重ねて、色々な経験をしたからこそなのかもしれませんが。

 

そしてジョンデは、こういう「物語」のある曲を歌うのが、本当に上手。彼の知性と表現力のなせる技だと思います。

 

 

それと同時に、今回のこの曲には、80年代のニューウェイブとか、AORと言われるジャンルの音楽の影響も強く感じました。

 


Nothing Gonna Change My Love For You

 

フィル・コリンズとか、Policeとか、Chicagoとかね。さすがにこの辺りはリアルタイムではないんですが、なぜこんなにこの頃の音楽が想起されるかと考えてみたら、これでした。

 


Mariah Carey - Against All Odds (Take a Look at Me Now) ft. Westlife (Official Music Video)

 

90年代に、Mariah Careyやその他のアーティストが、しばしば80年代の曲のカバーをしてたんですよね。オタク(当時からもちろんオタク)は遡って聴くわけで、その時の原体験みたいなものが、ものすごい勢いで思い起こされたわけです。

 

そして思い返してみれば、この頃の洋楽にしろ、日本の音楽にしろ、母が好きで、小さい頃に家や車の中で流れていたもの。そりゃあ懐かしくもなるわけですよ…

 

 

Shall we?を書いたのは、Kenzieさん。彼女の才能にもまた、驚かされてばかり。クラシックの素養も強い人だと思いますが、彼女がこれまでどんな音楽を聴いてきたのかも、本当に気になります。

 

ああ、いよいよあと20分を切りました。たぶんこの後、ジョンデ自身の口から、制作背景も語られるのでしょうね(ラジオまだ全然聞けていません…涙)。間も無くアルバムの全曲が公開されると思うと、本当に期待感でいっぱいです。皆様、楽しみましょうね…!!

 

 

全曲感想、書いちゃうよ

はい。その18時に、全曲が発表されました。そこからずっとエンドレスで再生しているのですが、初聴の印象を猛烈な勢いでTwitterで呟いたので、まずは第一印象を書き残しておこうと思います。いずれもっとちゃんと、きちんと考えた煮込み料理のような記事を書けたらいいなと思っていますが、取り急ぎ、収穫して、切って、お皿に並べた!的な感想を残しておきます。

 

Shall we?

Shall we?, a song by CHEN on Spotify

 

詳細はすでにMVのくだりで書いてしまいましたが、この曲、音だけで聴くと、また素晴らしいですね…懐かしさはあるけれど、とても洗練されたアレンジだし、どの曲よりも甘いジョンデの声がこの世界にぴったりと合っていて、本当に飽きない。もう昨日から数十回は聴いただろうに、何度聴いても飽きません。

 

My dear

My dear, a song by CHEN on Spotify

 

今回のアルバムは、どの曲がタイトル曲になっていてもおかしくない仕上がりだと思うのですが、この曲は特に、すごくパワーがある曲だと感じました。メロディもとてもキャッチーだし(ただしジョンデぐらいしか歌えなさそうな難易度の高さ!) 、後半流れ込んで来るギターも印象的。何よりコーラスの美しさ…繊細で、でも立体的でとてもジョンデらしい仕上がり。

  

 Amaranth

Amaranth, a song by CHEN on Spotify

 

ジョンデの良く響く美しい低音から、伸びやかで艶のある高音まで、広い音域が存分に活かされた曲。ジョンデの歌が乗る部分はとってもすっきりしたアレンジで、優しく響くシンセの音も良いアクセント。My dearから一転して、声を重ねず、ジョンデの独唱なのもまた良い感じ。

 

Hold you tight

Hold you tight, a song by CHEN on Spotify

 

バスキングで先行で耳にしていた曲。まさかこういうコーラスが重なるとは思っていなかったので、良い意味で期待を裏切られました。しかもバックコーラス、女性の声が混じっていますよね…?ジョンデの声のみのコーラスも好きですが、違う声が混ざると、またより一層ジョンデの声が浮かび上がるんですよね。これは早く音盤でクレジットを確認したいです。

 

You never know

You never know, a song by CHEN on Spotify

 

この出だしの声、好きなんですよね…いや、この曲に関しては、一曲まるごと私が一番大好きなジョンデの発声が続きますね。前半の柔らかく響く声も、後半の少しエッジを効かせた声も、全てが完璧に好き。また、1曲の中での声の色分けがとってもバランスが良いですよね… La la la la...の美しい声の響きを聴いていると、ジョンデがラララって歌うだけで、音楽が成立してしまうのでは…と思えます。

 

Good night

Good night, a song by CHEN on Spotify

 

ハイライトメドレーでの印象と、一番違ったのがこの曲かもしれません。もっとひたすらに穏やかな、子守唄的な曲なのかと思いきや、もっとドラマ性のある曲でした。ギターに始まり、弦楽器が重なって、コーラスも入って少しずつ華やかになって、最後にはまたそっとギターで終わるって、とても良い。これもノスタルジー直撃型だな…

 

 

 

以上、今日の時点で、音だけ聴いた感想です。この後、音盤が届いて、じっくり歌詞を読んだり、クレジットを確認したら、また新たに思うこともあると思いますが、6曲全て、甲乙つけがたく好きです。

 

ある意味ぴんと張りつめたような、完璧ではあるけれど重い仕上がりだった第1集と比較すると、もっとずっとリラックス感があって、とても心落ち着く曲ばかり。より一層優しく、心に寄り添うような…前回のアルバムもそうでしたが、今回のアルバムもまた、性別や年代を問わず、幅広い人たちに愛されるのでは…という気がします。

 

ああ、期待を越える作品が出てくることは確信していましたが、ここまでとは。進化し続けるこの人を好きになって、本当に良かった。こんなにも美しい音楽を届けてくれてありがとうって、世界に向かって叫びたい!!