【第5集 DON'T MESS UP MY TEMPO】今更!全曲レビュー

EXOのカムバが近づいております。全員のティーザーが解禁されましたね(時差がひどい)…皆様、ご無事ですか。私はもちろん無事ではありません。大人としてありえないぐらい、毎日気もそぞろです(得意げに言うことではない)。日中は仮死状態ですが、昼間に供給されるちぇんぽゆ、あのジョンデの可愛さで何とか生き延びております。


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だって…ねえ…これですよ…言葉もないですね!残りの5人についても、話し出したら永久に話していられる気がしますが、長くなるのでやめますね。

 

さて、いよいよ第6集の発表まであと数日となりました。そんな中、今更感あふれる第5集の振り返り!もともと気に入ったアルバムはスルメのように何度も味わうのが好きな私、噛み締め続けることはや一年。このアルバムも、飽きることなくずっと聴き続けています。新しい素材を味わうには、前作をしっかり消化してから…ということで、今更過ぎますが第5集のお気に入りポイントをまとめておこうと思います。

 

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ところで今更ながらアルバムのクレジットを眺めていて気づいたんですが、このアルバム、ヴォーカルディレクションにハンビョルさんがめちゃくちゃ関わっている…(むしろ私は今まで何を見ていたんだ…)

 


Special Clip(스페셜클립): Onestar(임한별) _ May We Bye(오월의 어느 봄날) (Feat. CHEN(첸))

 

Tempoを皮切りに、Gravity、Sign、リパケのLove shotとTraumaのヴォーカルディレクターはハンビョルさんでした。SignとTraumaに至っては、ご本人がコーラスにも参加されてますね。その上でのジョンデとのコラボね…はあ、本当にこういうことに突然気づくとびっくりしちゃうわ。というわけで、全曲ざーっと、私の主観に満ちた感想を綴ります。

 

 

第5集 DON'T MESS UP MY TEMPO(2018年11月2日発表) 

 

1. Tempo

Tempoに関しては、ちょっと前のこのツイートに尽きます。

 

詳しいことは、お気に入り曲ランキングの時にも書いた通り。

 

EXO 엑소 'Tempo' MV 音がMZMCで歌詞がPenomecoとJQ様、さらにヨンジン先生の手も入っているという、豪華な布陣。私の中ではQUEENボヘミアンラプソディーに対するK-POPからのアンサーソングだという解釈。わずか3分45秒の中に起承転結があって、聴けば聴くほどすごい構成。

 

この曲をこなせるのはEXO以外には考えられないよね…それぞれの声質が最大限に生かされていて、「今のEXOの最高」を見せてくれた曲だと思う。曲によっては扱いが難しいスホさんの声がこの曲の中ではすごく重要な役割を果たしていて、「こういう活かし方があったか」と目からうろこだった。メインボーカル3人の声は言わずもがなの抜群の安定感。チャニョルとセフンちゃんの気合いの入ったラップもいい。

 

音楽のジャンルとしては、ジャージークラブといって、ベッドのギシギシ音みたいな音がしつこく繰り返される、数年前に流行ったクラブミュージック。え、今これやるの?と、初めて聴いた時は相当驚いた。だいたいしつこくなりがちなこの音が、絶妙なさじ加減で調理されているのがすごい。こちらの振付はRIEHATAさん!

私のお気に入り TOP10【EXO本体編】2019年8月 - 私がジョンデに堕ちたのは

 

本当に、何度聴いても「全員の声が、あるべき場所に完璧に収まっている」と思います。冒頭のジョンデの声は何度聴いても鳥肌ものだし、このパートはジョンデ以外にありえない。そしてそう思う箇所が、全曲通してずーっと続きますよね。だからこそ、6人でやるとなった時に(振付とのバランスも含めて)パートを振り分けるのは相当難しかったのでは…これはいつか絶対、全員でパフォーマンスしているところが観たい!



2. Sign

プロデューサーはHarvey Mason Jr.。この人の作る音は、昔から好きなんですよね…Toni BraxtonとかMusiq SoulchildとかAvantとか、私が思春期の頃狂ったように聴いていたR&Bのアーティストと関わりが深い人で、彼がThe Underdogsというチームでプロデュースしたのが、EXOのOverdoseですね。この曲も、ヘビーかつしつこいベース音といい、サビに入る前にチャカチャカ鳴り響く打ち込み音といい、ちょっとTransformerを思い起こす2000年代っぽいテイストのある曲ですが、こういう大袈裟な音もEXOには似合う。

 

こういう曲調に抜群に映えるギョンスの声はもちろんのこと、チャニョルちゃんのラップも抜群に良い。2:30ぐらいでギョンスとチャニョルの声が重なるところが好きです。イメージ的にはあまり合わないと思われるスホちゃんの声が、コーラスの中で意外なくらい(ごめんなさい)良い仕事をしてますね。

 

 

3. Ooh La La La


EXO 'Ooh La La La' Dance Practice

 

振り付けも込みですごく好きな曲。 世界的な流行も受けて、最近SMのアーティストもラテンテイストの曲をやることが多いですよね。この曲もギターの入り方はまさにラテンですが、これ、サビで後ろに流れているのは808ベースと言われる、ボーン、ボーンと長く引っ張るように鳴るベース音です。ヒップホップのアーティストが良く使う音ですが、スパニッシュギターのテイストがこれだけ入ってもラテンに寄りすぎず、メインストリーム寄りの音に仕上がったのは、やはりこういう音を混ぜちゃうMZMCのバランス感覚のおかげでしょう。

 

この曲調はギョンスの声にすごく合いますが(ギョンスって万能だな!)、この曲の中のカイくんの声も好き。後半2:08ぐらいからのメンバーの声の組み合わせも好きで、ジョンデ×チャニョル→スホ×セフンからカイくんのソロパート(この時の声がすごく良い!)、その後みんなの声が重なってハーモニーになるパート、EXOの良さが最大限に生きていると思います。

 

 

4. Gravity

こちらはお馴染みLDN Noise先生。これ、ライブの時の衣装も相まって、どうしても「戦隊モノ」イメージが頭をよぎってしまうんですが、曲もパフォーマンスもめちゃくちゃかっこよくて、これをシングルカットしても良かったのでは…と思うほど(とは言えTempoがあまりにも強烈なので、まあそっちになるよねと納得しましたが…)。

 

こういう80年代風のディスコサウンドを作らせた時のノイズ先生は強いですよね。彼らの音は私にとってはけっこう一か八かの賭けになることが多くて、「すごく好き!最高!」か、「ああダメだ聴けない」と感想が真っ二つに分かれることがほとんどなんですが、これは大好き。ここでのセフンちゃんのラップ、キレがあってとても良いよ!出だしのベッキョンの声も色っぽくて好き。こういうベッキョンの声の使い方は楽器的だなといつも思います。音の中にうまく溶け込むんだよね…

 

 

5. With you

チャニョルちゃんが作詞・作曲に関わっているこの曲、比較的重いサウンドの多いこのアルバムの中では、まるで清涼剤のような存在だと思います。こういう軽やかなサウンド、好きなんですよね…この曲を聴いていると、いつも2000年代ぐらいのJanet Jacksonを思い出します。EXOちゃんたちの声も、どこまでも軽くて優しい。この曲にはしうちゃんの声がパーフェクトマッチ!しうちゃんのパートの後の、カイスホのオクターブ違いの声の重なりも好き。

 

 

6. 24/7

口笛に始まり口笛に終わるこの曲、コンサートのVCRでもこの部分がうまく使われていましたね。この曲はとにかく、シンプルなアレンジゆえに、EXOのコーラスワークの美しさが堪能できる曲だと思います。1:48からのチャニョルちゃんの歌声もとても良いし、その後1:57セフンちゃんとジョンデの声が重なるのが何とも良いバランスなんですよね。このアルバムの良いところ、それぞれの声の組み合わせの上手さがここでも光っていると思います。

 

バックコーラスにはジョンデの名前だけがクレジットされてるんですが、これはジョンデの声の分量多めという解釈でOKなのかしら…何度も言っていますが、私はジョンデのコーラス職人ぶりも大好きなので、この曲のジョンデの歌声には本当にうっとりさせられます。

 

 

7. Bad Dream

こういう曲には本当に、ギョンスの声が映えますね。冒頭の音の感じがLo-Fi(音質が低い音楽のこと。ノイズや歪みのある、少しレトロな感じの音作り)っぽいと言われてましたが、どうだろう…

 

この曲は最初に聴いた時は全然印象に残らなかったのに、ギターのリフも、全曲通して裏拍で鳴るシンセの音も、サビで入るサイレンのような音も面白くて、聴けば聴くほど中毒性が増してきました。ここでもEXOのコーラスの上手さが存分に味わえます。ジョンデはここではこのところ封印気味だった硬い響きの声を使っていますね。最後のセフンちゃん→チャニョルのヴォーカルもとても良い。

 

 

8. Damage

アルバムの中で一番ヒップホップ色が強いのはこの曲。こちらもLDN Noise先生です。この曲の後ろで鳴る、攻撃性の高いピアノの音が好き。

 

 

この曲は、今年のKconのパネルイベントでLDN Noiseのお二人がコーラス部分を公開してくれてるんですが、これを聴くと本当に一人一人の歌唱力にびっくりします。And I know〜での声の広がりとか、その後のサビの切れ味のある声の重なり、何度聴いてもご褒美。そしてやっぱりギョンスの声ですよ…この深みのある声、本当に貴重だと思います。セフンちゃんのアイコニックな「E X O」が聴けるのも楽しい。

 

 

9. Smile On My Face

 

いよいよギョンス恋しさが頂点に達する、この歌い出し。チャニョルちゃんの後、しうちゃんとギョンスの声が重なるパートも良いし、メインボーカル3人が素晴らしいのは当然のこと、こういう曲にはすほちゃんの声もすごく映える。EXOらしい、美しいR&Bバラード。コンサートの最後に聴くのに、本当にぴったり。

 

 

10. Oasis

これはEXOの世界観によく合う、そのままEl Doradoなんかに繋がりそうなイメージの曲だなと思います。広がりのあるコーラスも素敵。コンサートの時の演出もすごく良くて、これは生で見てより一層好きになった曲の一つです。コンサートでの6人バージョンを聴いて、「ああ、中音域でギョンスの代わりができるのは、意外にもカイくんだ」と、ハッとさせられました。 アルバムの締めにふさわしい、物語性のある展開がいかにもEXOらしくて良い。

 

 

(181125 加筆)

リパケ分も追加しておきます。 

 

11. Love Shot


EXO 엑소 'Love Shot' MV

 

この曲は、第5集の中で個人的には唯一あまりピンとこない曲でした。サビはキャッチーで誰もが口ずさめるからタイトル曲としては大正解だと思うし、振付もとてもセクシーだし、ライブで盛り上がるのもわかるんですが、Tempoほどの音楽的面白さを感じないからでしょうか。でも赤いバラを咥えて踊るカイくんは最高にセクシー!きゃあああああ(騒ぐのか)!

 

カイくんの場合、もちろん彼の存在そのものがまだ放つ色気も凄まじいわけですが、見れば見るほど表現者としての才能が素晴らし過ぎて、神聖さすら感じると思うのは私だけでしょうか…

 

…と、ここまで書いていて、ふと気づきました。まさかの一年越しの気付き。私、ユニゾンが苦手なのでした。ええ、ユニゾンこそ実は力量が問われることもわかります。EXOだからこそこのサビを「聴かせる」レベルで歌えることもわかります。でも、1回目はともかく2回目ぐらいからは広がるような多層コーラスになっていたら、もう少し好きだったかもしれない。これは完全に好みの問題ですね。


Ooh La La Laでも使われていた808ベースが、ここでも繰り返し使われています。サビに入る前までのコーラスワークはすごく好き。歌詞にはジョンデとチャニョルちゃんが参加。

 


12. Trauma

これは発表前に確かベッキョンが「ヘッドホン推奨」と言ってくれていたと思うんですが、本当にその通り!すごく立体的な音で、声が両耳を行き来するのが面白い。コーラスがリフレインするのが、トラウマというタイトルにぴったり。こういう軽くて歯切れの良いサウンドには、しうちゃんの声が良いアクセントになると思います。リパケで追加された3曲の中では、この曲が一番好きかな。

 

 

13. Wait

こちらは元々ウィンターアルバムの候補になっていた曲だそう。確かに、Universeあたりに収録されていても違和感がありませんよね。こちらもEXOのコーラスの美しさが堪能できる曲。こういう温かみのあるアコースティックな音には、すほちゃんとカイくん、それからチャニョルちゃんの低音もよく映えると思います。EXOのメンバーは声質がばらばらで、それがまた良さだなとこういうバラードを聴くと改めて思います。小さすぎるソファで歌うコンサートでの演出も好き。

 

 

 

総じて非常に多様な音を詰め込んだ、現時点でのEXOの良さが最大限に生かされたアルバムだと思います。まとまり感という意味では第4集の方が好きですが、これだけ多様な製作陣を起用しても、結局「EXOの音」になっているのは、ご本人たちの消化能力が高いのはもちろんのこと、総指揮官(やはりイ・スマンなのか…)の舵取りのうまさのおかげでしょう。

 

金曜は久しぶりに妹と会ってオタク談義をしてきたんですが、「第5集って結局何だったと思う?」という私の問いに対する彼女の答えは明快で「ギョンスの声のありがたみを感じるアルバム」。

 

うん、確かに改めて聴いてみると、それにも一理あります。EXOの低音を支えているのは間違いなくチャニョルちゃんですが、ギョンスもまた中低音域で大事な役割を果たしているんですよね。ただ、それで言うとしうちゃんの声も代わりのきかない特別な響きがあるし、やっぱり結論、EXOは本当にバランスの良いグループなんだなと。なので、第6集がどういう仕上がりで出てくるのか…寂しさがあるのはもちろんですが、いかに戦略的に6人の声を活かすのか、楽しみでもあります。

  

そしてこれは前から疑問なんですが、スマンちゃんの意向って、アルバムの制作にどれぐらい反映されているんでしょう。初期は間違いなく「スマンの肝いり!」感がありましたが、今はどの程度なんだろうなと。彼に言いたいことは山ほどありますが、少なくとも音楽制作において非凡なのは間違いないですからね…いや、たまに「はっ!?なんじゃこれ、正気か」と思う音だってありますよ(個人の感性の問題ですが)。ありますが、総じてSMがずっと韓国エンタメ界の帝王たりえたのは、彼の非凡なセンスゆえですよね。そして少なくともEXOに関して、(プロモーション方法はともかく)音楽的に裏切られたことはありません。

 

まあ何が言いたいかと言うと、第6集も頼みますよ!ってことです。ティーザーは出たものの、まだ音の情報は殆どありませんものね…まもなく公開されるMVのティーザーを、ドキドキしながら待っています…!!