私の音楽遍歴/EXOにたどり着くまで

ようやくカムバを迎えましたね!期待を遥かに上回る素晴らしい作品が出てきて、EXO(とSMのディレクション)の底力に、改めて震え上がっています。

 

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全体写真の中ではこれが一番好きかも。旗とったどー!なXカイちゃんの狂気っぷりが最高。

 

一周目を聴きながら狂ったようにツイートを連投してしまいました…興奮を抑えきれなかったよね…

 

よくぞこのクオリティの作品を出してくれました!本当に本当にありがとう!毎日取り憑かれたように聴いてるよ!!昨日ようやく音盤も届いたので、全てのクレジットが確認できるようになりました。今週中にレビューを書きたいな〜。

 

さて、第6集のレビューをまとめる前に、今日は私の音楽遍歴について書こうと思います。音楽に関してはただ好きなだけで素人ですが、昨日はたまたま自分のこれまでを振り返るようなことがあったので、ちょっと書いてみようと思った次第です。EXOにたどり着くまでに相当長いので、適当に読み飛ばしてください…

 

 

幼少期

私の母は、レコードを何枚か出したことのあるプロの歌手でした。全員がそうとは限らないと思うんですが、人前に出ることを生業にしている人って、たぶん普通の勤め人とは違う感覚を持っていることが多いと思うんですよね。母も、良く言えばユニークでぶっ飛んでいる、悪く言えば世間一般の常識からずいぶんずれた人です。母いわく、私(長女)が生まれたときは「天使様が出て来たと思ったの!だから毎日全力で歌いかけた!」そうです。(あれ、お天使お天使って…私がジョンデに向かって言ってるのはもしかしてこれがルーツなのか…!?)母は確かに変わっていますが、歌が上手いのは間違いないので、これは情操教育という意味ではありがたいことだったのかもしれません。

 

小さい頃、我が家でよく行われた遊びは「ミュージカルごっこ」でした。子どもの頃の私は、どこのお家でもミュージカルごっこをやっているものと思っていました。お友達に「うちはオペラ座の怪人が多いんだけど、○○ちゃんのお家では何をやるの?」と質問して、「何の話…」とドン引きされ、そこでようやく、どうやらよそのお宅ではそのような遊びはしないらしいと気づいた記憶があります。とは言えぶっ飛んだ母なので、主役を演じるのはいつも彼女でした。弟に至っては歌のパートさえ与えられず伴奏係。クリスティーヌ(主役)がやりたいと言った私にも、「もう少し歌がうまくなったらね」と、全く取り合ってくれないという…母よ、大人げないぞ…。

 

歌もよく歌いましたが、幼児期からハモりを求められたんですね。まあ平凡な子どもだったのでつられたりするわけですが、「私の子どもなのにおかしいわね…(ひどい)…ママの歌う音を良く聴いて!」とか、「息を吸うときにお腹をカエルさんみたいに膨らませて!」とか、なぜか歌の練習をさせられる日々でした。嫌にならなかったのは音楽が好きだったのと、子ども心に「まあ確かにママは上手だしな」と納得していたからだと思います。実力主義です。

 

昭和歌謡や演歌はもちろん、洋楽もラテンポップスも、もちろんミュージカル音源も、我が家には何でもごちゃ混ぜで流れていました。誰かが歌うのを聴くと、母が時折「この人のどういうところが素晴らしいのか」を解説してくれました。音楽を聴くとつい分析してしまいがちなのは、恐らくこの原体験のせいでしょう。

 

一番長く習った楽器はエレクトーンです。エレクトーンはリズムのプログラミングができるので、気に入ったリズムトラックがあると、それを聴き取ってちくちくプログラミングするのが面白かったんですよね…演奏技術は大して上がりませんでしたが、音楽を構造的に解釈したり、分解してみるのが昔から好きだったのだと思います。習っていた教室が理論もわりときちんと教えてくれるところだったので、ソルフェージュ(聴き取り)もたくさんやりました。リズムのプログラミングをして、その上に譜面起こしした音を載せて…というのが、私にとっては何よりの遊びでした。根暗…!

 

 

洋楽に目覚める

既にその頃からオタク気質を存分に漂わせていた私、一番のお気に入りはマイケル・ジャクソンでした。というかまあ、80年代生まれでマイケルが嫌いな人なんてたぶんいないよね。近所に住むいとこの家ではMTVが見れたので(小学生当時の唯一の情報源!)、しょっちゅう入り浸ってはMTVを見せてもらっていました。そしてそんな時に出会ったのが、この曲。

 


Mariah Carey - Fantasy (Album Version)

 

懐かしいなあ。この曲はTom Tom ClubのGenius of Love (1981) という曲のリズムやメロディをかなり大胆にサンプリングしているんですが、これを聴いて「声と最低限の音だけで、こんなにかっこいい音楽になるんだ!そんでサンプリングって何!誰か教えて!」と、突然何かに目覚めてしまったのですね。

 

初めて自分で買ったアルバムは、この曲が収録されている、マライアのDaydreamでした。ポッププリンセスだったマライアが自分のルーツであるR&Bに回帰したアルバムで、今思えば当時の最高のプロデューサー陣が集合していましたね…これは今聴いても実に洗練された、まとまりのあるアルバムです。未だにたまに聴くし、たぶん収録曲のタイトルを上から順番に全部言える(きもちわる…)

 

こうして音楽狂いのキッズは洋楽ばかり聴くようになりました。当時私が住んでいたエリアには、外国人向けだったのか、使用言語ほぼ英語のみ、流れるのも英語のみという局があって、部屋にいる時は大体ずっとラジオにかじりついていた気がします。何を言ってるか理解したいがために、英単語をたくさん調べました。耳から学ぶ外国語!そうやって覚えた言葉は忘れないんですよね…聴いていたのがR&BHIPHOPなので、たぶん「いけない単語」ばかり、片っ端から順番に覚えていった気がします。思春期だな。交換留学でやってきたアメリカ人の子に「待って…そんな単語どこで学ぶわけ?」と聞かれたのも納得の、おかしなボキャブラリーだったと思います。今でもその傾向はある。

 

POP、R&Bはもちろん、ごりごりのHIPHOPやラップもたくさん聴いたし、そう考えるとやっぱりソウルミュージックが自分のルーツかなと思います。マイケルとプリンスという二大巨頭はもちろんですが、特にR&Bやソウルに関しては、マニアックなアーティストばかり聴いていました(マニアックすぎるので割愛)。ロックも一通り聴いていますが、そんなにしっくり来なかったな…唯一レッチリだけは好きでしたが、それはボーカルのアンソニーの声に詩情があると思ったからです。

 

大学生になってアルバイトを始めて、自分のお金でCDを買えるようになると、ますます音楽オタクぶりに拍車がかかりました。タワレコに週に何回通っただろう?出て来たものをひたすら視聴し、うんうん唸りながら数枚に絞って買って行く私、今振り返っても本当に音楽狂いでしたね…この時には楽器はもうやめてしまって、完全に聴く専門でしたが。

 

そうそう、アイドルも一通り聴いています。Backstreet Boysも'N Syncも、デビューの時から知っている!今思い返したら、きっとあの頃北米に住んでたら、今みたいなノリで追ってたんだろうな…

 

前にも少し書きましたが、いわゆる「アイドル」としてデビューしたアーティストの中で、一番好きだったのはクリスティーナ・アギレラです。同時期に人気のあったブリちゃんも、お作法的に通ってきています。ブリトニーは歌唱力では劣るものの、今振り返ってみると音楽的センス、自分を見せるセンスには抜群のものがありましたね…そして彼女はたまに面白いことをやるんですよね。

 


Britney Spears - My Prerogative (Audio)

 

たとえばこれ。この曲、My Prerogativeはボビー・ブラウン(ホイットニーの夫)のカバーですね。ボビー・ブラウンはNew Jack Swingと言われるジャンルで一時代を築いた人です。この曲を聴いたのをきっかけに、私は80年代のNew Jack Swingも手当たり次第聴くようになったわけですが、この時のプロデューサーがテディ・ライリー、つまりEXOのCall Me Babyのプロデューサーです。

 

 

愛の歌を、歌わないこと

ずっと聴き続けているのはソウルやR&Bですが、大学生以降は、ラテンやレゲエ、更にはMandopop(中華ポップス)まで、ますますジャンルが広がっていきました。ラテンやレゲエの明るさも楽しく、それはそれで私にも共鳴する部分があったわけですが、思いのほかハマってしまったのは中華の音楽でしたね…中華圏って単純に巨大なので、とんでもなく才能がある人がいるわけです。中でも度肝を抜かれたのは、何と言ってもジェイ・チョウ周傑倫)ですよね。

 


周杰倫 Jay Chou (特別演出: 派偉俊)【告白氣球 Love Confession】Official MV

あ、なんだか一番普通っぽい曲をチョイスしてしまった。これは万人受けチョイスです。

 

ジェイ・チョウのすごいなと思うところは、彼の書く曲のテーマの多様さです。多くのアーティストは、愛の歌を歌います。愛は人間の普遍的な感情だし、それはそれで突き詰めれば素晴らしい世界が広がっているわけですが、そうでないテーマでいかに聴かせる音楽を作れるかは、ある意味アーティストの力量の一つの物差しだと私は思っています。フレディ・マーキュリーをご覧くださいよ…「自転車自転車!自転車に乗りたい!」で1曲書ける人なんて、そうそういるものではありません。そういう意味では、ジェイ・チョウはフレディと同じくくりです、私の中では。

 

そうやって見渡した時、韓国にもいたではありませんか…愛の歌以外の歌を書ける、偉大なアーティストが。

 


TVXQ! 동방신기 'O -正.反.合. (정반합)' MV

 

そうです。我らがヨンジン先生です!私が彼を最初に知ったのは、東方神起の「哲学3部作」でした。最初の感想は、「え、何これ…」でしたね。O正反合なんて、ヘーゲル弁証法ですよ…ぶっ飛んだよね…ヨンジン先生がアジア人離れしたソウルフルな歌声の持ち主で、韓国R&Bの大家であったことを知るのは、もう少し後のことです。

 


EXO-M 엑소엠 'MAMA' MV (Chinese ver.)


EXO-K 엑소케이 'MAMA' MV (Korean ver.)

 

ヨンジン先生をきっかけにKPOPにも興味を持つようになり、その後EXOにも出会うわけですが、考えてみたらEXOのデビュー曲だって、強烈な世界観ですよね…この「コンセプト」という概念も強烈でしたが、それより何よりこれまで聴いてきた音楽が見事に統合され、「KPOPらしさ」としか表現ができない世界観を作り上げていたのは、私にはちょっとしたカルチャーショックでした。もちろん、最初にKPOP界の最高品質であろう、SMの音楽を聴いたのが大きかったと思いますが…。イ・スマンという人がどういう人だとしても、その音楽的なセンスには感謝をするしかありません。もちろん、ヨンジン先生の存在にもね…

 

 

 

…とまあ、最後だいぶ適当にまとめたわりには、また無駄に長い文章を書いてしまいました。ここまで読んでくださった方がもしいらしたら、お礼を申し上げたいです。私の音楽オタクは筋金入りですが、今はジョンデに判断力を奪われる、ただのジョンデ狂いですのでね…第6集のレビュー、なるべく冷静に書けるように頑張りますね…