seize the day

キムジョンデ(CHEN)とEXOへの愛を綴ります

【第6集 OBSESSION】レビュー(前編)

(2019.12.13)

 ★後編もアップしました〜!

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 EXO様のご帰還です!

 

すごいアルバムを引っさげて、EXO様がお戻りです。

 

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ティーザーの段階で、コンセプトにもビジュアルにも大興奮(オタクとしては平常運行)でしたが、音が出てきたら、そのあまりの威力に前情報は何もかも吹っ飛びました。そのぐらい、今回のアルバムはR&B、Hip Hopオタクの心にクリーンヒットです。EXOを知らない洋楽ファンやクラブキッズの皆さんにもぜひ聴いて欲しくなるような、最高にかっこいいアルバムが出てきましたね!!(鼻息が荒くなりがち)

 

 

大興奮しながら、とりあえず第一印象をツイートしまくったのでした…気づけばもう既に10日以上が経過しております。全曲レビュー、あまりに長くなりそうなので、前後編に分けて暑苦しく語りますね。

 

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第6集 OBSESSION(2019年11月27日発表)

  

1. Obsession


EXO 엑소 'Obsession' MV

 

いやあ…すごい曲。理屈抜きにかっこいい。あまりの衝撃に、最初はMVのループからしばらく抜け出せなかった。格段に進化したボーカル&ラップ、広がるコーラス、不穏でしつこいベース音、何度もリフレインする"I want you I want you want you"と"I don't think so"というフレーズ、どれをとっても「新しいEXO」。Ko Ko BopにもTempoにも度肝を抜かれたが、また更に違う次元に上がってしまった感がある。大枠ではHip HopとR&B、その他にも様々な要素が詰まった曲だが、それを全部まとめ上げて、もう「EXO」というジャンルと言って良いのでは?

 

Obsessionに関しては既に色々な解説が出ているので、私がこれ以上何か言う必要もないほどだが、これは語らずにはいられない面白い音である。いくつかのパートがうまくコラージュのように繋がっていて、Hip Hopの要素も、メロディアスなR&Bの要素もある。

 

ベッキョンの歌い出しから"I don't think so”と続くパートでまで、延々同じベース音がループして続くのが、まさしく「執着」というテーマにぴったりだし、長調短調を行ったり来たりするメロディラインも、この曲で描かれる内面の葛藤を象徴するようで面白い。コーラスのハーモニーはNCT 127のSuperhumanあたりを思わせる、最近のSMお気に入りの不思議な音の重ね方で、これはKenzieさんのディレクション。このコーラスが、この音数の少ないトラックに奥行きを出していると思う。

 

そんな抜群にかっこいい音に乗るボーカル。ベッキョンの歌い出しでまずその世界に引き込まれ、その後のカイくんのパート、コーラスが重なる部分で鳥肌が立った。その次に続くスホちゃんと言い、二人ともこんな男っぽい声が出せるとは!ベッキョン、ジョンデ、チャニョルくんは言わずもがな、それぞれ完璧に自身の役割を果たしている。

 

そして何より、この曲でのセフンちゃん…Tempoから更に飛躍的に存在感が増している!彼の声はややこもりがちで、もちろんそれがセフンちゃんらしい良さでもあるが、これまでEXOの曲の中では、ともすれば扱いが難しい部分があったと思う。それがもう…あの温かくて丸みのある声の個性を消すことなく、この曲に合う、とても洗練されたラップとボーカルを披露してくれていて、私は感激した。ダンスにも言えることだが、セフンちゃんの持ち味と強みは力の抜けたスタイリッシュさ!セフンちゃん、とても良い!

 

正直なところ、ギョンスとしうちゃんの不在をどう埋めるのか、期待半分、不安半分で私はこのアルバムを待っていた。でも、この曲を聞いてすぐ、自分の浅はかな考えを猛省した。二人の穴をぴったり塞ぐがごとく、全員のボーカルが更に向上している!兵役による不在というのは(いかに理性的に考えようとしても)寂しいものだが、こうして穴を埋めるべく、各自の潜在能力をさらに伸ばすという働きはあるのかもしれない…


そしてこの難曲、Ko Ko Bop、Tempoを経ての今だからこそできた曲かな、とも思う。それぞれの経験が最大限に生かされたこの曲、またもや「今のEXO」の自己ベスト更新かと。

 

 

2. Trouble

 

Troubleはトラップとレゲエ、という事前情報だった。トラップはここ数年特に盛り上がっている、ヒップホップルーツの音楽ジャンルである。BPM(テンポ)ゆっくり、そこにチキチキ…というハイハットの音が乗り、音数は少なくスカスカ…雑な説明だが、そんな音楽。この曲はそれをベースに、突然レゲエのリズムが入ってくる(2:20あたり)。

 

まあしかし、正直ジャンルなんてどうでも良いのだ、それが素敵な音であれば!この曲のこの浮遊感のある、力が抜けるような電子音、スローなビート…そこにEXOの声って、ただただかっこいい。私はこの曲の1:16あたりのジョンデの声が病的に好き!好き!(突然抑えられなくなる興奮!ジョンデペンの人格が出てきました…失礼しました。)

 

こういうもったりしたリズムの音、(言っても仕方ないんですけど言いますね!だって初めて聴いたときから思ってるから!)ギョンスが歌ったらめちゃくちゃハマるだろうなと思う。以前にもボーカル考察で「ギョンスが一番粘りとタメのある歌い方」だと書いた記憶があるが、ギョンスはこういうレイドバックしたリズムに声を当てにいくのが、飛び抜けて上手い。天才的である。いつかぜひ、この曲を歌ってほしい。

 

 

3. Jekyll

タイトルが「ジキルとハイド」の「ジキル」だと気付くのに、だいぶ時間がかかったこの曲。なるほど、だから「自身ともう一つの自身の内面衝突」と言われていたわけだ…歌詞を読まないとこういう基本的なことに気づかない(悲)。カイくんはタイトル曲にこちらを推したと発言していたが、確かにそういう意味では、この曲がObsessionに代わるタイトル曲として出てきてもおかしくなかったわけね…と納得。

 

音的には、ここでも808ベース(Love ShotやOoh La La Laで使われていた、ボーーーーンと引っ張る様な重たいベース)が使われている。MARZがいた頃からだが、最近のSMはこういう音作りが好きである。このベース音に、ポコポコした電子音、繰り返す"WARNING"コール、更に「じょっぴん!」と叫んでもおかしくないコーラスが乗るわけだが、これがSuper MでもNCTでもなく、EXOに回って来たのは、この曲には音色の違う複数の声が必要だったからなのかなという気がする。EXOぐらいメンバーの声質に幅があるグループや歌うからこそ、この曲が生きると思う。6人の声の特徴が最大限に生かされていて面白い。

 

 

4. Groove

この曲はまず、歌い出しのベッキョンのセンシュアルな声がたまらない。ベッキョンにこういうメロディを歌わせたら最高に色気があって上手なのは、これまでのEXOの作品でもソロでも証明済みだが、この歌い出しだけでも何度も巻き戻して聴きたくなるぐらい素晴らしい。これこそSM、つまり韓国を代表する天才アイドル、ビョン・ベッキョン!という感じ。この曲では一曲通して後ろの音に絡みつくようなベッキョンの声の使い方が際立っていて、これは第3集の収録曲、"Cloud9"の進化形だなと感じた。

 

その後に続くすほちゃんも新境地を開拓していてすごく良いし、カイくんの柔らかな声も(2人ともすごく上手くなっている!)、ジョンデの終始力の抜けた色気のある声も、この軽い音作りにすごくマッチしている。

 

そう、今やすっかりバラードの大家のようなジョンデは、実はこういうグルーヴィな曲をやらせても上手いのである。ソロを経て、声の使い方が更に自由自在になっていることにハッさせられた。"I just wanna make you groove..."のフレーズの歌い方も、ベッキョンとは全然違うアプローチ(3:13あたり、EXOの時のジョンデは遠慮なく色気スイッチを大全開にしてくれるので、油断していると衝撃で脳天がやられる)。改めて、EXOのメインボーカルの強さを思い知らされる仕上がりである。SC2人のラップも、かつてないほど軽くて柔らかい声。余裕のある声の使い方がとてもセクシーで良い。

 

全員の声が前半3曲とは全然違う音色で、急に違う世界に迷い込んだような気分になるこの曲、トン、トン、トン、トンという四つ打ち(1小節に4分音符のバスドラムが4回続くリズム)のサビも、流れるようなシンセの音も、より一層陶酔感を高めてくれる。ハウスっぽいサウンドだが、テンポが早すぎないこともあって、気持ちよくずっと聴き続けられる。後半入ってくるフルートの音もすごくおしゃれ。何より全員の声があまりに進化していて魅力的で、この曲だけ延々とリピートして聴いてしまうぐらい魅力がある。

 

 

5. Ya Ya Ya

SWVの1995年のヒット、"You're the one"を大胆にサンプリングしたこの曲、想像以上の大ネタ使いに、最初に聴いた時にはテンションが爆上がり…なぜなら!元ネタをリアルタイムで聴いていたから!まさか子どもの頃に聴いていた曲がEXOとフュージョンするなんて、長いこと音楽オタクをやってきて良かったなと思う瞬間であった。

 


SWV - You're The One

元ネタ貼っておきますね…私もMVを観るのは今回が初めてかもしれない…

 

後ろでずっと流れ続ける"you're the one"のリフレインに、ここでも出てくる808ベース。90年代のR&Bらしさを残しつつ、ちゃんと今のEXOらしい音に仕上がってる。この曲では、6人のボーカルワークが素晴らしいと思う。緻密に組み立てられた立体パズルのようで、本当にお見事。こちらもヴォーカルディレクションはKenzieヌナ。

 

最初のverse、カイくんの力強い歌い出しにハッとさせられ、0:30からのジョンデの色気にぞくぞくし、その後のペアでの掛け合いにも耳を奪われる。ベッキョンの万能ぶりがここでも遺憾なく発揮されている。2回目のverse(1:16あたり)の、ベッキョン→すほちゃんの流れでは、二人ともかつてないほど甘い声を聴かせてくれていて、ここも大好き。この曲の軽やかな雰囲気にぴったりだと思う。ラップのパートも難しそうだが、抜群の安定感のチャニョルちゃんはもちろん、セフンちゃんのラップもすごく良い…ああ、段々語彙が失われて来た…本当に全員、なんというポテンシャルなの…

 

この曲に関しては全員褒めどころがあり過ぎて書ききれないが、久しぶりにオールドソウルっぽいスイッチが入ったジョンデの歌を堪能できたのが、私は非常に嬉しい。

 

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さて、これでようやく折り返し!相変わらずEXOへの過剰な愛と音楽オタクぶりを制御できない文章を書いてしまいました…残り4曲も、なんとか宮城に行く前にまとめたいところです。 

 

 

 

★愛が重い第5集レビューはこちらです。ご興味おありの方はぜひ…

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