バスキング4daysの後に、思うこと

木曜にようやくCBXのマジカルサーカス2019のDVDを半分ほど見終えて、さらにこの4日間のジョンデのバスキング(路上ライブ)を見て思ったことを、備忘録がわりに書いておこうと思います。

 

①ジョンデのこういうところが好きなんだなという再確認

②ジョンデとの向き合い方について、自分への戒め(?)

私の音楽遍歴と「自我」のあり方についてざっくり

3本立てですが例によって長いです…(呆れ)

 

 

節度と敬意

 私の目から見たジョンデは、何においても自分の意見や価値観を持っていて、自分の世界をとても大切にしている人。どんな時でもペンたちに愛のある対応をする人だけれど、「ここからは自分の世界」という線引きがはっきりしていて、踏み込まれたくない領域がきっとあるのだろうなと自然に思わせる、そういう人に見える。

 

こう書くと、ジョンデを知らない人からすると、ちょっと近寄りがたい人のように聞こえてしまうのかな。

 

でも、実際に我々が目にするジョンデは、愛と思いやりに溢れた、優しい人だ。

 

よく気が利いて、それを決してこれ見よがしにするのではなく、相手の負担にならないような形でさりげなく差し出せる人。ジョンデ自身が自分の世界を大切にしていて、なおかつペンに対しても敬意を払ってくれているからこそ、向き合う我々も自ずとそういうスタンスになる気がする。

 

 

今回バスキングを見ていて思ったのは、ジョンデとオーディエンスの心地よい距離感。ご本人は初日に「5人しか来ないんじゃないかと思ってた」なんて言っていたけど(そんなわけないでしょ〜あなた大スターだよって、あれを聞いた全員が心の中で突っ込んだはず)、どう控えめに言ってもトップアイドルであるジョンデが路上に現れて歌って、でもちゃんと秩序が保たれたのは、スタッフの並々ならぬ努力があったにしても、ジョンデ自身の人柄も大きいのかなと。

 

もちろん路上ライブだから、あの場にいた全員が熱心なジョンデペンとも限らないと思うけど、ジョンデ自身がうまく「親しき中にも礼儀あり」という態度を取れる人だからこそ、(少なくともストリーミングで見る限り)これほど良い雰囲気で4日間のライブが実施できたのではないかと思う。

 

だって、コンサートではその会場にいる観客みんな(全員は言い過ぎかもしれないけど、体感値8割越え)に「ジョンデに抱かれた…あの瞬間はみんなジョンデの女だった…」って、うわごとのように言わせる男、キムジョンデだよ?

 

コンサートの時のように「煽る」要素は無いとは言っても、みんなが静かにジョンデの歌に耳を傾け、一緒に歌ってと言われれば声を揃えて合唱し、ジョンデの話す一つ一つの言葉に頷いたり笑ったり…あんな風に聴衆とコミュニケーションが取れて、なおかつきちんと円滑な進行ができるって、すごいことだと思う。

 

端的に言うなら節度と敬意、なのかな。「線引きをする」と言うと少し冷たく聞こえるから。そういう姿勢を嫌味なく見せられるところ、こちらが自然とジョンデのスタンスを尊重したくなるところ、一言で人間性と言ってしまえばそれまでだけど、私はジョンデのそういう凛とした芯の強さや、ぶれない姿勢がとても好き。

 

 

 

I know what I want

 それから、これも。

 

 

I know what I want. 自分が何を求めているかわかっている。日本語だとなんとなく説明的になってしまうけれど、私は真摯にアイドルをしているジョンデから透けて見える「自我」のにおい(後述)に、惹きつけられているんだと思う。

 

あの全曲バラードという潔いアルバムといい、CHENTUBEで見せるカバー曲といい、「EXOのチェン」を離れたジョンデには、明確に目指したい世界や表現したい世界があるのがよく分かる。

 

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当然、昔のインタビューなんかを見ていると、自分の中での迷いや葛藤みたいなものはあったのだろうけど、「ソロアルバムを出す」という決断は、きっと彼の中で大きな契機になって、そこからまた成長したのだろうなと思える。元々上手だった歌がさらに上手くなって、表現力も増して、路上ライブまでしてくれて。

 

 

4日間に渡って4人の豪華なゲストの方達と共演して、それぞれの方からの賞賛の言葉を聞くにつけ、ジョンデが今いかに充実しているかが想像できて、胸がいっぱいになった。


特に最終日のハンビョルさんの「(歌を歌う仲間はたくさんいるが)こんなにも本気で、うまく歌を歌いたいと思っている人はそうそういない」という発言は、まさにジョンデの歌との向き合い方を表している気がする。私たちがジョンデから受け取っている印象の通り過ぎて…ああ、本当に真摯に歌に向き合う人…(嗚咽)

 

もちろんEXOのジョンデも大好きだけど、ジョンデが自分自身の表現や考えを存分に見せてくれるソロ活動は、ペンからしたらジョンデから受け取る宝物のようなもの(少なくとも私にとっては、宝物以外の何物でもない!)。

 

これからもずっと、ジョンデの好きな音楽を追求して欲しいなと心から思う。だってこの人にはそれにふさわしい才能と感性と、それを美しい作品に昇華させる情熱があるんだから。

 

そしてそんな環境をサポートするのが、ペンの勤めであると決意を新たにしているここ数日。ジョンデのためにできることは(できる範囲だけど)私も頑張っちゃうからね!

 

 

 

悲壮感のない、ひたむきさ 

ジョンデの何が良いって、努力に悲壮感が全く漂わないところ。(もちろん、私が普段目にするSMのアーティストの皆様は、選び抜かれたエリート感漂う人達で、そんな悲壮感のある感じの人はそもそもいない、あるいは「見えない」けどね…)

 

もちろん彼に天性の才能があることは疑いの余地がないけれど、ではこの人が誰もがひれ伏す「天才」かと言われると、おそらくSMにキャスティングされた時点では、才能という点で彼より評価が高かった人はいたはず。少なくとも、音楽を解釈する力や、表現力において、ベッキョンやギョンスと比較すると、あの時点では残りの二人に軍配を上げる人が多かったのではないだろうか。

 

当時のジョンデを見ていると、良くも悪くも、屈託がない(声質によるところも大きかったかもしれない)。それは彼が持って生まれた美点でもあるけれど、第3集を出したあたりから急速に成熟して、表現の幅が広がったのを感じる。

 

成熟して、歌が上手くなる。プロとして当たり前のことと言われればそれまでだが、これは決して簡単なことではないと思う。元々才能のある人があれほどの成功を収めれば、そこで成長が止まってしまうことだって、きっとある。

 

ジョンデが素人目に見ても「ずっと成長し続けている」のは、先ほどのハンビョルさんの言葉通り、彼自身が歌が好きで好きで、ひたむきな努力(ご本人はきっと努力とも思わず、当然のことだと思っていそうだけど)を続けているからなんだろう。だってここ2年ぐらいでのジョンデの歌唱力の伸び方って、ちょっと異常というか、想像を越えている*1

 

いや、もしかすると、EXOの楽曲の中では、彼の元々持っていた引き出しを開くタイミングがなかっただけなのかもしれない。しかしいずれにせよ、特にこの1年ほどの間にジョンデが聴かせてくれたたくさんの声は、私の予想を遥かに上回る、多彩で細やかなものだった。

 

 


Cover by CHEN - 'all of my life' (박원 PARK WON)

特にAll of my lifeの後半なんて、鳥肌もの。ピッチの高低差が大きくて、この歌を「聞かせる」レベルに持っていくには、相当の練習が必要だったはず。3:30ぐらいから2回繰り返す"all of my life, all of my life”のフレーズの美しさ(と同時に難易度の高さ)を聴いて、私はジョンデの歌唱力にまた驚かされた。

 

 

きっとまた、常人の想像を超える練習を積んでいるんだろうけど、ジョンデの場合、悲壮感は全く感じられない。彼のポジティブな性格もあるだろうけど、少なくとも我々が見る限り、日常生活でもずっと歌っているような人だし、さらに「自分の歌に満足したことはない」と言うほどだから*2、きっと嬉々として練習をしていたんじゃないかとすら思うほど。

 

これはスポーツでも何でもそうだと思う。一流と呼ばれる人たちは、息をするように(凡人が言うところの)努力をする*3。ジョンデにとっても、歌を歌うことは彼の生き方そのもので、自然なことなのだろうなと思える。

 

もちろん、我々に見せないだけで、辛い思いをすることだってあるだろうし、ものを作る人特有の「生みの苦しみ」も、きっとあるのだろう。それでも、ジョンデからはそれを上回る、「好きなことをやっている」という清々しさが感じられて、そこがまた私の目にはとても魅力的に映る。 

 

 

 

ジョンデと向き合うこと

 

 

ジョンデの歌を聴くたびに、毎回「ああ私はこの人の歌が好きなんだった…いつも妄想のネタにしてごめんなさい」と、深刻に反省する。(反省の色が見えないって?ですよね…自覚あります…)

 

でも、そこはさすが世界のトップアイドルの実力。ジョンデの彼氏感って、「目に毒」以外の何物でもない。何気ない瞬間の仕草とか笑い方とか言葉とか、あまりにも破壊力が高すぎて、あれでときめかない方がおかしいんじゃないか?と思うレベルだし、踊り出したら信じられないぐらい色気があって煽情的だし、本当に見ている側のスイッチを入れる天才。Turn me onとはこのことかと、私はジョンデを見ているといつも思ってしまう。

 

私はもともとアイドルを性的に消費するという文化に抵抗があったのに(特に女性アイドルの場合はね…それもあって媚びないf(x)とMAMAMOOが好きなわけで…)、気づいたら私も思いっきりジョンデのこと「消費」してるじゃん!と思うことが(しばしば)ある。やましいこともいっぱい考えちゃう。だってジョンデって本当に…エロいとしか形容できない瞬間があるんだもん…

 

ジョンデは賢い人だから、きっとそういう側面も、自分の仕事の一環として捉えているのかもしれないけど。ジョンデを好きでいることは、尊敬とやましさとの戦いでもある。

 

ただ一つ、これだけは確実に言えることは、「私はプロとして仕事をしているキムジョンデが好きなのであって、彼の私生活を侵害する権利は、誰にもない」と思っていること。

 

毎日楽しく夢を見させてもらっているけれど、一個人としてのキムジョンデが幸せであってほしいと祈っているし、万に一つプライベートのジョンデに遭遇したとしても、そっと目をそらすと思う(いや、わからないけど…会ったら動揺して「ひっ」とか「ぎゃっ」とか、奇声を発する可能性もゼロじゃないけど…少なくとも自分の性格上、突進することだけはないと断言できる)。

 

これは自分への戒め。ジョンデがあまりにも魅力的なのである程度は仕方ないとしても(自分に激甘…)、ちゃんと心のどこかに、彼個人を尊重する気持ちを持っておかなくては(当たり前だけど…)。

 

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はあ…美…(お写真お借りしました)。とりあえず本文はここまでです。また長くなっちゃった…

 

  

  

「自我」のにおい

ここから先はEXOもジョンデも関係ないので、ご興味のある方だけ、もしよろしければどうぞ。

 

アーティストについてだけでなく、実生活においても、私は「自我」を感じさせる人が好きだ。ここで言う自我というのは、決して自己主張が強いとかそういう意味ではなくて、「自分の世界がある人」という方が正確かもしれない。オリジナリティとか、個性と言い換えても良い。

 

前にも少し書いたが、私は子どもの時から殆ど洋楽しか聴かずに育ってきた。ずっと聴いていたのはR&Bソウルミュージックだが、アメリカやイギリスのアイドルも一通り通って来ている。彼らがアジアのアイドルと大きく違うのは、それこそ「自我」がむき出しで、恋愛関係にもオープンだったことだ。

 

私の大好きだったUsherなんて、①年上アーティスト(TLCのチリ)とオープンに交際、②チリとの交際期間中にファンの妊娠スキャンダル、③その後年上スタイリストと結婚…という、ドルオタが聞いたら震え上がるようなご経歴だったし、他にも例を挙げるなら、例えばクリスティーナ・アギレラの変貌ぶりは今でも記憶に残っている。

 


Christina Aguilera - Can't Hold Us Down (feat. Lil' Kim) [Legendado / Tradução]

2002年リリースだって(驚愕)!そりゃあ私も年取るわけだわ…この時代を私は「アギレラ様のご乱心時代」って呼んでるけど、この時代があったからこそ私は彼女のことが好きになったんだよね…

 

彼女は1stアルバムこそキラキラアイドル路線だったのに、2ndアルバムでは鋭い眼差しで”Call me a bit*h”と我々を挑発すると同時に、「誰が何と言おうとあなたは美しい」と高々と歌い上げ、その強烈な自我を大爆発させていた。’N Syncからソロデビューしたジャスティン・ティンバーレイクにしても、デスチャを巣立ったビヨンセにしても(あ、奇しくもアギレラジャスティンもビヨンセも、全員81年生まれだ)、明確に「私はこういう人間」という主張があった。

 

思春期の私はこれを見て、「自分のやりたいようにやればいいんだ」と強烈に思ったし、幸い私自身もそういう「あなたはあなたのままでいい」というコミュニティの中で育ったので(これはこれで、少なくとも日本社会の中では生きづらい時もあったような気はするが…)、それもあって、未だに「自分の表現世界がある人」に惹きつけられるんだと思う。

 

ジョンデはもちろん、SMにいるアーティストの中で私が特に好きなのって、ヘンリーやアンバー(アンバー、これを書いているまさに今日、SMを離れるというニュースが出たけど…)、EXOは特別枠としても、中でもジョンデの次に誰が好き?と聞かれたら、レイちゃんかギョンス。「私はこういう人間、こういう仕事がしたい」というのがよく見える人に惹かれるのは、昔から変わらないみたい。

 

もちろん、機会が巡ってきていないだけで、本当はこんなことがしたいのに…と思っているアイドルもたくさんいるんだろう。特にアジアにおいては、事業の仕組みやマーケットのことを考えたら、みんなが自由気ままにやるわけにはいかないのはよくわかるけど、アーティストたちがみんな、できる限り良い環境で創作活動に打ち込めることを祈らずにはいられない。

 

 

*1:それで言うと、歌唱力だけでなくてダンスについても言えることだと思う。Going Crazyの冒頭部分の振付を見た時なんて、本当にゾクゾクした。

*2:似たようなことを、ダンスについてカイくんも言っていた。「自分でダンスが上手いと思ったことはない」という主旨だった記憶があるんだけど、やはり超一流の人たちは「もっと向上できる」という気持ちが、凡人の数百倍強いんだろうか。ジョンデみたいに歌えたり、カイくんみたいに踊れたら、ちょっとは自惚れても良さそうなものだけど…

*3:私の父はそれなりに競技人口の多い競技で日本一になったことがあるようなアスリートで、彼の生活は節制と練習、振り返りと改善の繰り返し。娘の目から見ても「よくここまで徹底できるな」と思うほどだが、本人は「好きでやっていること、日々どんなことからも学べる」と言っているので、やはり彼の中ではそれは「努力」という認識ではない様子。